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通勤手当における経済的かつ合理的な経路とは?

社員から通勤経路について、従来の経路よりも高額になりますが、通勤時間が短縮になる経路に変更したいとの申し出がありました。会社の就業規則には「経済的かつ合理的な経路による通勤定期代を支給する」旨の記載がありますが、今回の申し出を認めなければならないでしょうか。

社労士のアドバイス

会社は極端な時間ロスがない限りは、従来の経路を「経済的かつ合理的な経路」として指定できるものと考えられます。

通勤手当は、社員が当然にその実費を請求できるものではなく、会社が支給ルールを決定できるものとなります。多くの会社では、就業規則に「最も経済的かつ合理的な経路による通勤定期代を支給する」旨の文言が記載されていますが、「経済的」とは通勤にかかる費用が安価であることを、「合理的」とは通勤時間の短さや乗り換え回数の少なさ、距離の短さを指すものと考えられます。

最も安価な経路が、最も通勤時間の短い経路とならない場合の判断

本件に関する判例として、東京地裁平成30年10月24日判決があります。この判決では、単に最安値か短時間かだけでなく、運賃と時間の差を比較衡量し、「最安値の経路と10分程度の時間差で1万円以上の差がある場合、高額な経路は不合理」と判断されています。この判例が全てのケースに当てはまるわけではありませんが、会社は極端な時間ロスがない限りは、最安値の経路(経済的な経路)を「経済的かつ合理的な経路」として指定できるものと考えられます。

既に運用しているルールを社員にとって不利益な内容に変更する場合

労働条件の不利益変更に関する規制を受ける可能性がありますので、経過措置を設けて心理的負担を和らげたり、最安値の経路より高くても認める場合の数値基準を新たに設けたりすることで、社員の予測性や納得性を高めるようにしましょう。

著者プロフィール

アクタス社会保険労務士法人
スタッフ約200名、東京と大阪に計4拠点をもつアクタスグループの一員。
アクタス税理士法人、アクタスHRコンサルティング(株)、アクタスITコンサルティング(株)と連携し、中小ベンチャー企業から上場企業まで、顧客のニーズに合わせて、人事労務、税務会計、システム構築支援の各サービスを提供しています。

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