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【2025年対策義務化】熱中症対策カメラの選び方|WBGT基準と導入ポイント

公開日:2026年6月10日

建設・製造・施設管理などの現場では、猛暑による体調不良リスクが年々高まり、事業者としての安全配慮と再発防止の仕組みづくりが重要になっています。2025年6月に施行された改正労働安全衛生規則では、熱中症対策が事業者へ義務付けられました。2026年の大きな変化は、2025年の義務を土台に、厚労省が 職場における熱中症防止のためのガイドライン を示し、何をどう「運用」するかという面で方向性が整理されたことです。特に、WBGTの実測、作業強度・暑熱順化の考慮、作業環境管理・作業管理・健康管理・教育・異常時対応まで、現場での運用の解像度が上がっています。つまり、2025年は「義務化の年」、2026年は「現場運用への落とし込みが加速していく年」と考えられます。

本記事では、熱中症対策が求められる義務化の流れや暑さ指数(WBGT)について、熱中症対策においてカメラが活用できる範囲、他手法との比較、選定・導入のポイントまでを整理し、選び方を解説します。熱中症は「本人が我慢して申告しない」「異変に気づいたときには重い」といった現場特有の難しさがあります。だからこそ、注意喚起だけではなく、チェックと対応をセットに、重症化を防ぐ運用体制を作ることが鍵になります。

熱中症対策が求められる背景と義務化

熱中症は個人の体調管理だけでなく、事業者が「予防~初期対応」まで仕組みとして整備すべき安全衛生課題になっています。ここでは、求められる背景と、義務化の考え方を押さえます。

近年の猛暑は一過性ではなく、作業計画そのものを変えないと事故が起きやすい環境になっています。特に屋外や熱源のある屋内では、本人はまだ耐えられると自覚していても、身体には負担が積み上がり、突然の体調悪化につながります。
現場で問題になりやすいのは、体調悪化のサインが外から見えにくいことと、本人が作業優先で申告を遅らせることです。結果として、発見が遅れて重症化し、救急搬送や休業、重い労災につながるケースもあります。

2025年6月に施行された改正労働安全衛生規則では、「WBGT値28度以上又は気温31度以上の環境下で連続1時間以上又は1日4時間を超えての実施」が見込まれる作業について、熱中症の重篤化を防止するため「体制整備」「手順作成」「関係者への周知」が事業者に義務付けられています。これらの観点においては、暑さの把握・休憩や水分補給のルール・作業中断基準・声かけと離脱の手順、記録と振り返りまでを一連の管理として残せる状態にしておくことが、実務上のリスク低減につながります。

熱中症対策義務化の対象作業

対象となるのは「WBGT値28度以上又は気温31度以上の環境下で連続1時間以上又は1日4時間を超えての実施」が見込まれる作業になります。

熱中症対策義務化の対策方法

熱中症対策義務化の対策方法として、事業者に義務付けられる「体制整備」「手順作成」「関係者への周知」について、厚生労働省によると、

  • 「熱中症の自覚症状がある作業者」や「熱中症のおそれがある作業者を見つけた者」がその旨を報告するための体制整備及び関係作業者への周知
  • 熱中症のおそれがある労働者を把握した場合に迅速かつ的確な判断が可能となるよう
    • 現場における緊急連絡網、緊急搬送先の連絡先および所在地等
    • 作業離脱、身体冷却、医療機関への搬送等熱中症による重篤化を防止するために必要な措置の実施手順の作成及び関係作業者への周知

上記を行うことが、現場における対応指針として打ち出されています。

熱中症対策義務化で企業がやるべきこと

ここでは前述の指針を基に具体的な事業者に求められるアクション例を紹介します。

体制整備

作業環境の整備・管理という要素は欠かせません。作業の危険性の判断指標となるWBGT値の計測の用意や、休憩場所の整備、直射日光並びに地面からの照り返しを遮ることができる簡易な屋根の設置といった対策が考えられます。
他にも、作業者からの連絡体制づくりや報告を受けるだけでなくバディ制を採用する、担当者へウェアラブルデバイスを配布し双方向での定期連絡を行う、といった現場管理者が状況を積極的に把握できる体制の構築も重要です。

手順作成

熱中症のおそれのある者に対する処置フロー図をまとめましょう。
ここでは一例を掲載します。一方現場ごとに状況は異なるため、現場の実情に合った内容にまとめることが重要です。また連絡体制や、経過観察時の体調急変の場合の対応をあらかじめ定めておくことも大切です。

出典:厚生労働省 職場における熱中症対策の強化について
熱中症のおそれのある者に対する処置の例 フロー図①

関係者への周知

上記、手順や連絡体制についての周知として

  • 朝礼やミーティングでの周知
  • 会議室や休憩所などわかりやすい場所への掲示
  • メールやイントラネットでの通知

など、いざという時に誰もが知っている状態とするため、日頃から周知を行っていくことが重要です。

暑さ指数(WBGT値)と現場での活用

WBGT(暑さ指数)は、暑熱環境による熱ストレスの評価を行う暑さ指標です。ここではWBGT値の定義、現場での使い方を整理します。

WBGT値とは?

WBGT値は、人体と外気との熱のやりとり(熱収支)に着目した指標で、人体の熱収支に影響が大きい①湿度、②日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境、③気温の3つを取り入れた指標です。気温が同じでも、湿度が高い日や照り返しが強い場所、風が通らない場所は危険度が上がります。WBGT値について、身体作業強度などに応じたWBGT基準値が定まっています。

区分 身体作業強度(代謝率レベル)の例 各身体作業強度で作業する場合の
WBGT値の目安の値
暑熱順化者の
WBGT基準値 ℃
暑熱非順化者の
WBGT基準値 ℃
0 安静
  • 安静、楽な座位
33 32
1 低代謝率
  • 軽い手作業(書く、タイピング等)
  • 手および腕の作業
  • 腕および脚の作業 など
30 29
2 中程度代謝率
  • 継続的な手および腕の作業[くぎ(釘)打ち、盛土]
  • 腕および脚の作業
  • 腕と胴体の作業 など
28 26
3 高代謝率
  • 強度の腕および胴体の作業
  • ショベル作業、ハンマー作業
  • 重量物の荷車および手押し車を押したり引いたりする など
26 23
4 極高代謝率
  • 最大速度の速さでのとても激しい活動
  • 激しくシャベルを使ったり掘ったりする など
25 20

建設・製造・施設管理などの現場では上記のように、身体作業強度とWBGT基準値を比べ基準値を超える場合には「環境」や「作業」を変更し、基準値に下回るようにすることが重要です。

出典:厚生労働省 職場における熱中症対策の強化について

(以下、例)

  • 環境:冷房などにより当該作業場所のWBGT基準値の低減を図ることや、WBGT基準値より低いWBGT値である作業場所に移動すること
  • 作業:身体作業強度(代謝率レベル)の低い作業に変更すること

WBGT活用のポイント

活用のポイントは、数値を測って終わりにせず、現場ルールに直結させることです。例えばWBGTが一定値を超えたら休憩頻度を上げる、重作業を軽作業に切り替える、作業時間帯をずらす、冷房の効く休憩所への誘導を強める、といった運用に落とし込みます。

キヤノンMJグループが施工する工事においても、WBGTに応じた服装・休憩・体調管理をルール化しており、熱中症防止対策を講じています。

  • WBGT28以上で、60分毎を目安に休憩
  • WBGT31以上で、30分毎を目安に給水のために小休止
  • WBGT35以上では、作業を一時中断

などWBGT値に応じて、防止対策を策定・実施しています。

労働安全衛生規則の改正における、熱中症対策の基本的な考え方

今回の労働安全衛生規則の改正において、厚生労働省は熱中症対策の基本的な考え方を3つのステップで示しています。

  • 見つける(例:作業員の様子がおかしい)
  • 判断する(医療機関への搬送や救急隊への要請)
  • 対処する(救急車が到着するまで作業着を脱がせ、水をかけ全身を急速冷却)

これらを現場の実態に即した具体的な対応を取ることが、重要になります。

熱中症対策にカメラを活用する方法

前述の労働安全衛生規則の改正における、熱中症対策の基本的な考え方にもある通り、企業の熱中症対策において、まず重要なことは従業員の異変を「見つける」ことです。発見が遅れることで作業員の体調の悪化や、回復の遅れなど、事態の悪化を招いてしまうためです。
カメラを活用することで、遠隔からのモニタリングによる現場状況の確認など、関係者が変化を迅速に「見つける」ことができます。特に人数が多い現場や、監督者が全エリアを巡視できない現場では、見落としを減らす支援になります。
一方で、カメラは医療機器ではなく、熱中症を「判断する」ものではありません。映像は注意喚起や優先順位付けに使い、最終判断は本人の自覚症状や声かけ、必要に応じた測定や救護対応で補う前提が重要です。

カメラによる映像確認チェックのタイミングや、インシデント発生時の通知先、記録の残し方など、運用を日頃から定めておくことで予防と初期対応の遅れ防止に結びつけられるでしょう。

予防に役立つ運用(巡視の効率化)

予防段階で効くのは、巡視の代替としての活用です。監督者が現場全体を見渡しにくい場合でも、作業全体を把握でき、休憩や交代の指示を出しやすくなります。休憩取得の促進では、休憩所の混雑や利用状況を把握し、休憩が取れていない班に声をかける運用が有効です。休憩は「各自判断」にすると取りづらいため、時間で区切る、班ごとに交代制にするなど、ルールとセットで設計します。

早期発見に役立つ運用(遠隔監視・ウェアラブルカメラによるコミュニケーション)

何か事案があった場合の早期発見として、カメラは「遠隔監視」と「コミュニケーションツール」の役割から貢献が期待できます。
「遠隔監視」という観点では、監視カメラを活用し、監督者や安全担当が遠隔で巡視する型です。広範囲をカバーし、危険エリアの滞留、休憩所の利用状況、作業の集中による無理な継続などを把握し、声かけや指示につなげられます。
「コミュニケーションツール」としては、通話可能なウェアラブルカメラを作業員が持つことで、作業員の視点の映像の確認や、いざという時には通話をし、状況を確認することで、離れた場所とのコミュニケーションが可能になります。

一方で、個人の体調変化そのものは映像だけでは読み取りにくく、見落としが発生する可能性があります。特に遠隔監視は「常時、人が見ている」前提になりやすいため、監視する側の負荷も増えます。運用上は、見る場所と時間を決め、重点時間を決めてモニタリングするなどの工夫が必要です。全てを常時監視する発想より、WBGTが高い時間帯や熱源作業のタイミングに絞って運用すると定着しやすくなるでしょう。

他の手法との比較(目視確認・体温計)

熱中症対策は単一手段では不十分になりがちです。目視確認、体温計との比較を整理します。

目視確認の強みは、声色や受け答え、歩き方など総合的に判断できることです。ただし、巡視者の経験に依存し、忙しい現場では見落としや偏りが起きやすく、記録も残りにくいのが弱点です。カメラが見える化と記録で補助し、最終的に声かけや離脱判断を目視で行うなどとセットで実施することが効果的です。
体温計は分かりやすい指標を得られる一方で、体温だけで熱中症リスクを判断しきれない場面があります。また、測定の手間が増えると実施率が下がりやすい点も課題です。カメラの映像に基づく短時間でチェックできる仕組みは、実施率を上げる設計に向きます。

シチュエーション別 熱中症対策カメラ選定のポイント

現場や管理すべき人数に応じて、熱中症対策としてのカメラ活用もパターンが分かれます。下記を参考に実施あるいは併用することで、それぞれのシチュエーションにあった熱中症対策での映像活用が進むでしょう。

シーン1:自社工場での遠隔監視

  • 工場では死角となる箇所や少人数での作業が起こりやすい場面にカメラを設置し、定点的に現場の状況を捉え、安全管理を進めることがおすすめです。
  • 映像の管理においては、複数のロケーションを一括で遠隔から管理したい場合にはクラウドカメラの活用が向いているでしょう。

シーン2:特定の期間の作業現場

  • 常設のカメラの設置では費用が高くなってしまう特定期間の現場に向けた対応の場合には、レンタルパッケージのカメラが向いているでしょう。
  • 例えばSafie GOのような、カメラとルーター、SIMとクラウド録画までセットになっているレンタルパッケージでは、配線工事が不要、電源を入れるだけで簡単に現場の映像が確認できるものとなっています。最短1ヶ月からのご利用が可能なため、必要な期間に応じて合理的にご活用頂けます。

シーン3:特定の作業員とのコミュニケーションツール

  • 熱中症対策はもちろん、作業の進捗や現場の状況をより具体的に管理したい場合にはウェアラブルカメラの導入が推奨されます。定点的なカメラではなく、作業員がウェアラブルカメラを身に着けることで、作業員視点での現場状況の確認が可能です。
  • SafiePocket2シリーズでは、音声通話も可能なため、体調確認の運用なども合わせることでより状況の確認と声掛けを同時に効率的に行うことができます。

熱中症対策カメラ導入のポイントまとめ

本コラムでは、熱中症対策が求められる義務化の流れや、暑さ指数(WBGT)についてから、熱中症対策においてカメラが対応の向いている範囲、他手法との比較、選定・導入のポイントまでを整理し、選び方を解説してきました。酷暑が続いていく中、2025年6月に施行された改正労働安全衛生規則により、熱中症の重篤化を防止するため「体制整備」「手順作成」「関係者への周知」が事業者に義務付けられ、対策が急務となります。そんな中、熱中症対策の基本となる、異変を「見つける」ためには、目視や人による巡視だけでは十分ではない場合もあるでしょう。それぞれのシチュエーションに応じたカメラにより、早急な発見を強化することが、未然に防ぐ・重症化をさせないことに繋がります。本コラムが、熱中症対策の運用を検討される一助になりましたら幸いです。

よくある質問(FAQ)

Q1
熱中症対策はすべての現場で義務になりますか?
A1

すべての現場が対象ではなく、WBGT値28℃以上または気温31℃以上の環境下で、一定時間以上の作業が見込まれる場合に対策が求められます。
ただし、これらの基準に満たない場合でも、熱中症リスクがある現場では自主的な対策が推奨されます。

Q2
カメラを導入すれば熱中症対策は十分と言えますか?
A2

カメラ単体で対策が完結するわけではありません。
カメラはあくまで異変の早期発見や見える化を支援する手段であり、

  • 声かけや目視確認
  • WBGTの測定
  • 休憩・水分補給のルール化

などと組み合わせて運用することが重要です。

Q3
カメラで従業員の体調を正確に判断できますか?
A3

できません。
カメラは医療機器ではなく、体調そのものを判断する用途には適していません。
映像からいつもと違う様子を早く見つけ、声かけや確認対応を迅速に行うための補助ツールとして活用します。

Q4
WBGTはどのように現場運用に落とし込めばよいですか?
A4

WBGTは測定するだけでなく、以下のようにルール化して運用することが重要です。

  • 一定値を超えたら休憩頻度を増やす
  • 作業を軽作業に切り替える
  • 作業時間帯を変更する
  • 一時的な作業中断の判断基準を設ける

数値と行動をセットにすることで、実効性のある対策になります。

Q5
小規模な現場でもカメラは必要ですか?
A5

必須ではありませんが、少人数・単独作業が多い現場ほどカメラでの対策が有効なケースもあります。
特に監督者が常時巡視できない場合、見落とし防止や記録の観点で導入メリットがあります。

Q6
カメラ運用で注意すべきポイントはありますか?
A6

以下の点を事前に決めておくことが重要です。

  • どの時間帯・場所を重点的に確認するか
  • 異変を見つけた際の連絡ルート
  • 初期対応(離脱・冷却・搬送)の手順
  • 記録の残し方

「設置するだけ」でなく、運用ルールまで含めて設計することが効果を左右します。

Q7
カメラ導入以外に優先すべき対策はありますか?
A7

はい、基本となる対策は以下です。

  • WBGTの把握と環境改善
  • 水分・塩分補給の徹底
  • 休憩ルールの明確化
  • 作業者同士の声かけ(バディ制など)

これらの基本対策を土台にした上でカメラを組み合わせることが重要です。

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