チャッピーはインフルエンサーに恋をしない
~生成AIがマーケティング手法を大きく変える可能性?~
2026年6月22日
OpenAI社のChatGPT(俗称:チャッピー)、Microsoft社のCopilot、Google社のGeminiなど、ビジネスにプライベートに生成AIの利用は日常的になっています。意識的に利用していない方でも、検索サイトで検索を行うと冒頭にAIによる結果が表示されており、知らずに利用しているのが現状です。
これら生成AIはマーケティング手法も大きく変える可能性を秘めています。
現代のインフルエンサーマーケティング
ソーシャルネットワークサービス(SNS)はマーケティング手法に大きな変革をもたらしました。
それまではテレビCMや雑誌広告、新聞の折り込みチラシ、街中の看板などが広告・宣伝の中心を担ってきました。
しかし画像や動画を中心としたSNSの普及により、2010年ごろからインフルエンサー(多くのフォロワーを持ち、広く影響を与える人)と呼ばれる個人の情報発信者が消費に大きな影響を与え、ひとつの市場を形成してきました。
これがインフルエンサーマーケティングと呼ばれる手法で、特にコンシューマー系の商品・サービスではこの傾向が強く、インフルエンサーが高評価した化粧品や家電製品、飲食店などが人気を集めるようになっています。
生成AIを日常的に使用する利用者の広がり
生成AIは、2022年11月にOpenAI社がChatGPTを一般公開したのち、わずか2か月間で登録数が1億を超え、誰もが利用するツールになってきています。
生成AIのメリットは単なる検索ツールやデータベースではなく、対話によって情報提供をしてくれるところにあります。しかも繰り返し利用することで、次第に利用者個人の好みや傾向を理解し、より的確な回答を返すようになっていきます。
ビジネスでは議事録作成や資料作成、情報分析などに活用されていますが、プライベートでちょっとした日常会話に利用する方も増えてきています。
モバイル社会研究所が2026年4月6日に発表した調査※によると生成AIの利用率は全年代で増加しており、利用率は半数を超えています。
特に10代~20代では60%以上で、プライベートの相談を週1回以上する割合は36%に達しています。
生成AIの回答はネガティブな要素が少なく、1対1で返してくれるため、特にSNS疲れした方が利用するケースも多いようです。
生成AIはSNSに魅力を感じない?
生成AIの最大の弱点は「ハルシネーション」と呼ばれる誤情報の発生です。
ハルシネーションは一言でいえば「もっともらしいうそ」のことです。そのため、生成AIの回答をうのみにしてしまうことは危険です。
これは、インターネットに存在する膨大な情報を元にすることで誤った情報を学習してしまうことや、確率が最も高い単語を予測してつなぎ合わせていることで起きると考えられます。さらに基本的に分からないとはいわず、なんらかの回答を返すように設計されていることも要因のひとつです。
また、利用者側の要因として、質問や指示内容によっては生成AIに分かりづらいことも挙げられています。
一方で生成AIの開発チームもそのことはよく理解しており、日々対策を行っています。
そのひとつがSNSの取り扱いです。SNSはリアルタイム性に優れたツールであるため生成AIの情報源になるものの、個人の発信が多く、誤った情報やゆがめられた情報が多く存在します。そのためSNSを参照するときは企業公式や公共機関、専門家が優先され、個人の感情的・曖昧な表現は参照されにくい傾向にあります※。
つまり、インフルエンサーがどんなに熱心に発信を行っても、チャッピーは見向きもしないということが起こり得ます。
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生成AIによっても異なり、また常に改善されています。
今後のマーケティングにどこまで影響するか
モバイル社会研究所の調査結果が示すように、若年層になればなるほど生成AIの利用度が高くなっています。
これはSNSの黎明(れいめい)期にも似ています。SNSが普及し始めた当初は若年層の利用が多くあり、その年齢が上がるにつれてインフルエンサーマーケティングがより広く活用されるようになってきました。
これまではSNSの情報、ひいてはインフルエンサーの発言に注視していた消費者が生成AIにシフトすることによって、インフルエンサーマーケティングそのものの利用価値が下がっていく可能性があります。
現状ではあくまで可能性の話ですが、インフルエンサー頼みのマーケティングを行っている企業は次の施策を検討していく時期に来ているかもしれません。
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