キヤノンリモートカメラを活用した社内スタジオの整備でオンライン配信や映像撮影の内製化を実現キヤノンマーケティングジャパン株式会社


業種:卸売・小売|従業員数:単独 4,510名(2024年12月末現在)|成果:業務効率の向上・安定稼働、コスト削減、働き方改革
リアルとオンラインが一体となった情報発信スペース CANON INNOVATION LAB "WITH"
新たな価値の創出と、ステークホルダーとの共創活動の促進を図るコミュニケーション拠点として誕生。リアルとオンラインを融合したハイブリッドイベント、オンラインセミナーの配信、動画収録などの実施を通じた、キヤノンマーケティングジャパン(以下、キヤノンMJ)グループの情報発信基地としての役割を担っています。同施設では、「キヤノンリモートカメラ」を中核設備として活用することで、多様なイベントシーンに対応し、質の高い映像・動画の撮影を実現しています。ブランドコミュニケーション本部の武村氏、岩田氏に導入前の背景、選定理由、運用の効果などについて詳しく伺いました。
01 導入の背景より効率的で効果的な情報発信スペースの整備を模索
キヤノンMJグループが新たなビジネスモデルの創出を目指す場としてオープンした「CA NON INNOVATION LAB "WITH"」(以下、WITH)。その施設名に込めたのは、社会やお客さまに寄り添い、直面する課題をICTと人の力でともに解決していきたいという想い。WITHが生まれた経緯について伺いました。
時代の流れを考慮してオンライン施設へシフト
2019年頃から当時の「キヤノン製品のラインアップ展示をするショールーム」の機能性に限界を感じてきており、社内でリニューアルを検討し始めていました。当初はスタジオ機能のない単なる「イノベーションスペース」に改装する予定でしたが、2020年の年初より新型コロナウイルスが蔓延し始め、人が集まるリアルイベントやセミナーが軒並み中止に追い込まれました。「このままではキヤノンMJグループの情報が発信できなくなる」と痛感させられたことで方向転換し、オンラインスタジオを装備した施設としてリニューアルすることにしたのです。実は以前から各部署でオンラインセミナーなどの個別の行事を、社内の会議室を使って行ってはいました。しかし、会社としての本格的なスタジオ設備はなかったため、内製化の実現も考慮しつつ本腰を入れて整備しようという流れになった経緯があります。
スペースメディアグループ 武村 憲篤 氏

スペースメディアグループ 岩田 修一 氏

02 選定の経緯あらゆる撮影シーンに柔軟に対応できるマルチな機能性
多岐にわたる製品ラインナップの中から「キヤノン リモートカメラ」が自ずとメインの撮影機材になった経緯はどこにあったのでしょう。その経緯やポイントなどを伺いました。
リモートカメラの3つのポイント
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遠隔制御機能と画角の自由度
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ビギナーでも扱える操作性
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プロに頼らず省人化できる付加価値
潜在していた撮影ニーズが顕在化
これまでのショールームに代わる新しいスペースとして、当初はキヤノン新製品の展示に注力して魅力を発信しようと、業務用ビデオ、リモートカメラ、ミラーレスカメラといった主力商品をWITH施設内に入れてお客さま向けにPRできるようにしました。一方で、実際にセミナー配信・動画収録やイベント配信などの内製化に着手。すると実施回数を重ねていく中で、ライブの臨場感を映像化するのにはリモートカメラが最も適していることが必然的に共通認識として醸成されていきました。例えば、映像の撮影・収録において「新製品発表会の説明中にサンプル機材を操作する手元を拡大してほしい」「プレゼンテーションを行う登壇者の動きをカメラで追ってほしい」といったニーズが段々と寄せられるようになったのです。
ミニマムな撮影体制で、質の高い映像を撮れる使い勝手の良さ
三脚で固定する業務用カメラは、プロの撮影技術が必要で複数台を使用しなければ様々なアングルを高精度で撮れないほか、イベントの式次第に沿った綿密な機材のセッティングが欠かせません。その点、リモートカメラは、コントローラーやPCを用いたネットワーク経由での遠隔制御に加え、パン(P)・チルト(T)・ズーム(Z)によってあらゆる画角で被写体をとらえる自由度の高い撮影が1台で可能。設置も簡単で、天井吊りに対応できるなど、場所を限定しない手軽さも特徴です。何よりコントローラーの操作が簡単で、撮影機器に詳しくない素人の方でも問題なく扱えるところも当施設のメインカメラとして採用した大きな決め手です。
03 導入後の成果プロに頼らない質の高い映像撮影を実現し、内製化で経費削減や業務効率化も達成
キヤノンクオリティの映像がいつでも手軽に撮れるように

現在、キヤノンMJグループでは、新製品のハイブリッド発表会、オンライン決算説明会、人材採用におけるオンライン会社説明会やインターンシップイベント、著名ゲストに登壇していただく労働組合の開催するセミナーなど、社内の多彩な催しや行事の会場としてWITHを活用しています。定例ではない新しく企画したイベントも頻繁に行っており、なかには実施日の直前まで式次第が決まらないケースもあります。そんな時でもリモートカメラなら、セッティングが簡単でフレキシブルに準備できるのでとても重宝しています。特にメリットに感じているのが、プロのカメラクルーを外注することなく、社内の少人数でバリエーションに富んだ映像配信を実現できている点です。高いピント精度を求められる4K撮影をアシストするオートフォーカス機能でキヤノンクオリティの映像が担保できる安心感があり、ホワイトバランスや露出の設定、ズームやパン・チルト設定がコントローラーで調整・操作でき、素人でも業務用カメラに匹敵する機能を自在に使いこなせています。
実稼動によってリモートカメラの多彩な恩恵を実感
リアルとオンラインが一体となったハイブリッドイベントでは、多くの来場者が訪れます。リモートカメラは、人の動線から離れたステージ周辺の1ヵ所に設置するため、通行の際に接触して映像が切れたり、ブレたりする心配がありません。さらに、LANケーブルからカメラ制御と合わせて電源の供給ができるため、ケーブルを削減でき配線を簡略化できるのも利点です。また、以前は外部の業者に有償で依頼していたので、数百万円~数千万単位の経費削減を実現できました。イベントを企画する部署からすると、リモートカメラの有効利用によって内製化したことで、外部との打ち合わせ時間や準備期間が大幅に減り、業務の省力化を達成できたことも大きなメリットだと感じております。
04 今後の展開社会のDXをリードする企業として新たな価値の創出と技術の進化を追求
キヤノン リモートカメラの導入による内製化で、効果的な情報発信や業務効率化を実現した WITH。最後に、これからの時代を見据えた取り組みや展望についてお聞きしました。
グループ内の利用拡大を第一歩に可能性を模索

WITHは、大規模なオンラインイベントや月例のオンライン定例セミナーを実施しているキヤノンMJグループ内の部門にとって欠かせない施設となっており、非常に高い評価を得ています。そこでまずは使用経験のない部署や関係各所に積極的に呼びかけ、さらなる利用拡大を目指します。またイベント配信等の現場スタッフとしては、今後各社においても内製化したスタジオが広がっていく可能性を感じております。ただ、トラブルシューティングのノウハウや運営管理などもセットでないと成立しないビジネスですので、まだまだ越えるべきハードルが高いのが現状です。しかし、多くの企業さまに先進のITソリューションを提供する当社であるからこそ、新たな可能性を拓くべく果敢に挑戦し続けます。
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本記事は取材時(2025年7月)のものです。
キヤノンマーケティングジャパン株式会社
事業内容:キヤノン製品および関連ソリューションの国内マーケティング
従業員数:18,395名(連結)、4,510名(単独)
所在地:東京都港区港南2-16-6
設立:1968年2月1日
資本金:73,303百万円
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