債権管理における受領書管理業務DXにより、1拠点あたり最大90%の業務時間削減を実現
株式会社ムトウ


業種:医療機器総合商社| 従業員数:1,253名(グループ計)| 成果:業務効率の向上・安定稼働、コスト削減
医療と深くかかわって創業より100余年。人々の健康と健全な社会づくりを支える株式会社ムトウ
各種医療用の機器や消耗品を中心に、試験研究機器・材料および介護用機器・用具の販売を行う医療機器の専門商社。業界に先駆けて事業を全国展開し、多岐に渡る仕入先からの商品調達力が大きな強みです。主力商材の一つである院内材料管理システム「SPD」は、大学病院や大規模総合病院をはじめとする全国300施設以上の医療機関で採用されるなど、確かな信頼と実績を重ねています。同社では、多種多様な医薬品の受領書管理を人手の作業に頼り、その業務負担の大きさが長年の課題となっていました。そこでキヤノンマーケティングジャパン(以下、キヤノンMJ)の「DigitalWork Accelerator 電子取引管理サービス」を活用して業務効率化を図り、確かな成果を挙げています。管理本部の大矢氏、情報システム事業本部の榎氏、薬剤師の濱向氏に導入前の課題や背景、選定理由、運用の効果などについて詳しく伺いました。
01 導入背景紙の受領書を手作業で仕分けしてファイリングする非効率な業務からの脱却
働き手の不足により、企業が従来の業務のあり方を見直さざるを得ない時代となっている中で、同社ではどのような業務課題に直面していたのでしょうか。
人手に頼った作業で業務負荷が増大
当社における受領書の管理は、得意先別・伝票番号順での整理を基本としていましたが、通常の5年間保管と特定保守管理医療機器に関する15年間保管という期間の違いにより、煩雑な選別作業と個別の保管場所確保が必要となっていました。さらに、医薬品や劇物・毒物などの管理においては、各拠点の薬剤師が受領書の回収確認から納品漏れチェック、販売実績データとの目視照合まで、全ての業務を手作業で行っていました。このように人手に依存した管理体制では、事業規模の拡大に伴って業務負担が増大する構造的な課題を抱えていました。
時代に合った受領書管理の最適な方法を模索
2020年頃、設備老朽化に伴うドットプリンターの廃止を機に、複写式の受領書をカット紙へ移行しました。この全社的な設備リニューアルを契機として、受領書管理の業務効率化の検討が本格化していきました。受領書への二次元コード表記による取引日・顧客情報の付与を効率化施策として検討していたものの、具体的な実装方法の確立には至っていませんでした。そのため、納品関連の問い合わせやトラブル発生時には、依然として紙の受領書を手作業で探さざるを得ない状況が続いていました。即効性のある業務効率化を実現できるより良い方法を模索する中でご提案いただいたのが「DigitalWorkAccelerator 電子取引管理サービス」でした。



02 選定理由業務課題を払拭する機能性とキヤノンMJのパートナーシップ
社内に山積する紙の受領書を管理する新しい方法として、キヤノンMJのDigitalWork Accelerator 電子取引管理サービスを選択した理由はどこにあったのでしょう。提案内容や導入の決め手となったポイントなどを伺いました。
選定の3つのPOINT
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既存の複合機との連携
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要望を標準機能で実現
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業務パートナーとしての信頼性
受領書の既存二次元コードを活かした受領書管理業務の改善
キヤノンMJとの協議は2020年に始まり、当初は文書電子化ソリューション「ReportShelter」のご提案をいただきました。その後、当社の業務課題やニーズを詳細に掘り下げていただいた結果、2022年にリリースされたばかりの「DigitalWork Accelerator 電子取引管理サービス」をご提案いただくに至りました。特に惹かれたのが、各拠点に導入していたキヤノン製複合機180台との連携性でした。元々、受領書には得意先コードや伝票管理番号などのインデックス情報を含む二次元コードを付与していました。その二次元コードをそのまま活かして、複合機でスキャンするだけで受領書の電子化とクラウド管理が実現できます。この機能性と導入コストのバランスが、まさに当社が求めていた要件に合致していました。
業務効率化を実現する機能性を実感
事前のトライアルでは、東京本社でのスキャン作業と札幌本社での内容確認という実運用を想定した環境を構築し、その機能性を検証しました。この検証により、受領書管理業務の簡素化や請求業務におけるトラブル回避の効果を具体的に確認することができました。また、導入の決め手となったのは、キヤノンMJさんの手厚いサポート体制でした。特に実稼働に向けた二次元コードのインデックス項目の設定において、当社からの細かな質問に対して迅速かつ的確な回答をいただき、長期的なパートナーとして信頼できると確信できました。
03 導入後の成果全国150拠点にて50%~90%の受領書管理業務時間を削減
全国150拠点にて毎月約16万枚分にも上る新規の受領書データを一元管理

現在、全国約150拠点でDigitalWork Accelerator 電子取引管理サービスを展開しています。運用フローとしては、営業担当が回収した受領書を事務担当が複合機でスキャンし、二次元コードを読み込ませて電子化しています。これらのデータを基幹システムとも自動で連携させることで、受領書の回収確認や納品漏れチェックといった手作業で行っていた業務も効率化することができました。受領書の処理枚数は拠点によって異なりますが、各拠点で50%~90%の業務時間削減を実現しています。
また、本システムの導入を機に社内規定を見直し、従来5年間から15年間と期間が異なっていた紙の受領書の保管期間を一律3年間に変更しました。これにより、約600万枚に相当する保管スペースの削減を見込んでいます。
請求や納品におけるトラブルを払拭
DigitalWork Accelerator 電子取引管理サービス上で管理

従来、債権管理業務では各拠点で紙の受領書を現地確認する必要がありましたが、DigitalWork Accelerator電子取引管理サービスの導入により、各拠点からクラウド上ですぐに閲覧が可能となりました。
また、基幹システムの販売実績データとの照合により受領書の未回収を早期に発見し、請求漏れなどのトラブルを未然に防止できるようになりました。
さらに医薬品管理業務においても、基幹システムとの連携による納品状況の正確な把握により、顧客からの問い合わせへの迅速な対応が可能となりました。さらに、各拠点の薬剤師間での情報共有が円滑になり、より緊密な連携体制を構築できたことは、業務効率化における重要な成果となっています。
業務効率化をリアルに実感する現場の声

「受領書の仕分けと得意先ごとのファイリングにかかっていた手間が大幅に減り、山積みの受領書を保管していた棚もすっきりキレイになりました」「月約30時間かかっていたファイリング作業が3時間程に短縮されました」「20分/日の業務が5分で完了できるようになりました」「確認したい受領書がある場合は顧客コードや日付で簡単に検索できるので、時間をかけずに探し出せて効率的です」「削減できた時間を見積書や報告書の作成などに有効活用できるようになり、本来業務の質を向上できました」こうした喜びの声が各拠点から寄せられたことからも、社内の一人ひとりの働きやすさに確かな貢献ができた、これこそが最も価値のある成果だと実感しています。

04 今後の展開医療業界における人材不足や長時間労働の解決を視野に入れた業務DXの加速
DigitalWork Accelerator 電子取引管理サービスの導入によって、業務効率化によるコスト削減と働きやすさを実現した同社。最後に、これからの時代を見据えた取り組みや展望についてお聞きしました。
電子帳簿保存法に対応するための拡張利用

次なる展開として、グループ会社へのキヤノン製複合機のリプレースとDigitalWork Accelerator 電子取引管理サービスの導入を計画しています。これにより、グループ全体での情報共有体制を確立し、さらなる業務効率化と事業拡大の実現を目指しています。
また、電子帳簿保存法への対応策として、納品書にもDigitalWork Accelerator 電子取引管理サービスの適用を拡大することを検討しています。取引先である医療機関においても人材不足や長時間労働の解決を図るデジタル化を進める医療DXが加速する中、医療機器・消耗品の供給を担う当社としても、次世代の業務体制の構築に向けて積極的に取り組んでいきます。
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本記事は取材時(2025年7月)のものです。
株式会社ムトウ
事業内容:医療機器総合商社
従業員数:1,253名(グループ計)
所在地:北海道札幌市北区北11条西4-1-15
設立:1949年3月(創業1918年)
資本金:5億118万円
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キヤノンマーケティングジャパン株式会社 デジタルドキュメントサービス戦略推進課